ひと夏の救い

勿論私は関係ないし、
そもそも澄晴達が着いてくるから
一緒にいる様に見えるだけで、
仲良くした覚えも無いわ。

だから、
そんな澄晴の言葉を
風が吹いたように聞き流して、
横を通り過ぎようとしたら…


ガシッ


なんか、
腕に感触があるんだけど、
気のせい、よね?

振り向くと、
キラキラした目で、
でもガッシリと私の腕を掴んだ木下君が
ニコニコしながら口にした。

「俺、幽霊見たことないんだ!荒峰も一緒に行くよな!」

…勘弁してよ
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