ひと夏の救い
「とにかく、私は帰…」
「よし!皆揃ったな!良い感じに暗くなってきたし
さっそく学校に侵入するぞー!」
「「「しぃぃー!」」」
「ふぁあ…」
「バカ誠!大声で規則違反を宣言する奴があるか!」
また遮られた。はぁ。
そして大きな声に驚いて思わず一緒に制してしまったわ。
木下君はなんでこんなに『お子様』なのかしら。
東雲君に拳骨を落とされて
涙目になっている木下君を後目に、
奈良坂君の2度目のあくびと同時に
私は大きく息をついた。
何だかもう外れるのは無理な気がしたから、
とにかく、早く終わって、
とただそう願った。