ひと夏の救い
「荒峰さん?入学式の前でしかも
先生の説明中に居眠りとは、
良い度胸してるじゃないの!」
眉をヒクヒクさせながら言ってる所を見ると、
顔が赤いのは怒ってたからなのかしら、
とか、
嗚呼!先生だったのね、
とか自分で勝手に納得してボーッとする。
ただ凄い面倒臭いし。。。
まだ眠くて頭変な感じだし視界歪むし、
普通にどうでもよかったから。
でもそんな私の考えも知らないおばさんは
今度は怒鳴り散り出した。
「荒峰さん!
放課後、特別指導室に来なさい!
勿論入学式は真面目に起きて行ってからよ!」
そう言いたいだけ言って
またすたすたと教卓へ歩いて行った。
そこで私は小学校の時もあんなのがいたのを思い出した。
確か私にターゲットを決めて、
授業中とかほとんど当てられてた。
まぁ、全問余裕で正解したけど。
そいつウザかったから『鬼婆』って呼んでたのよねぇ。
ああ!そうだ!
これからあのおばさん先生は『鬼婆』と呼ぶ事にしよう!
うん、それが良い!
名前も知らないことだし。
っという訳で、命名
(って言ったら可笑しいけど)『鬼婆』!
というわけでもう終わりましょう。
話しを聞いてるだけでもやはりつまらないので、
クラスの人の名前と人数くらいは覚えようと思って
とりあえず隣から始めた。
この学校なんだか幼稚な所があって、
校則に『全ての持ち物にきちんと名前を記入する』
とかっていうのがあるから、
まぁ、上履きを見て覚えようと思います。
えぇーっと、隣の人は、勝鞠和也?か。
どっかで聞いた様な?まぁ良いや。
そのまま一番前から確認して行った。
あっ……という間に全部とりあえず終った。
人数は多くて『42人』も居た。
話したりは断じてしない自信があるけど、
必要最低限の事は話す事があるだろうから、
一応、ね。
そしてちょうど良く説明とやらも終ったらしく、
入学式を行う為に体育館まで行くから、
と同級生達はそこで履くための体育館履きを用意していた。
私も怠い体を立ち上がらせる。
そして廊下に出席番号順に並んで体育館へと向かった。