ひと夏の救い
このままここにいてもしょうがないと
階段まで戻って、
次に近い七不思議スポットまで
階段を降りて行こうとしたその時。
バタバタバタバタッ!
「「「「「っ…!」」」」」
すごい勢いで登ってくる音が
階下から響いてきた。
もしかして…っ
空き教室の女子達がまだ
追いかけるのを諦めていなかったのか、
と私と同じように
息を詰めた四人と目配せし合う。
皆が険しい顔をして
逃げる場所を探したけれど、
下から誰かは来ているし、
ここは校舎の最上階だから
後は屋上くらいしか残っていない。
でも廊下の向こうにある階段まで
走るにはもう足音が近すぎて間に合わない。
行き止まりになってしまうけれど、
二択のうちだったら
この緊急事態では一択しかない!
私たちは瞬時に
頷きあって
一斉に動いた。