ひと夏の救い

で、何故かその残った男子達と一緒に過ごすようになってしまった。
ね、意味わかんないでしょ?

しかも、その四人は顔が良いから、
入学したばっかりなのに学校内にファンが続々と増えているらしい。

うん、私には関係ない筈よね?
自分から仲良くしようなんて思ってもいないし。
自ら話しかけた事もないわ。なのに…

そのファン代表っていう女子から猛烈に攻撃されているのよね。

独り占めは許さない、とか。
いい気にならないでよね、とか。


私にとって離れてくれることはいい事だけど、
勝手に目の敵にされるのはよろしくない。
だって面倒臭い…はぁ。

実は私の荷物、鉛筆とか消しゴム、ロッカーに置きっぱなしにしているノートとか
酷い時には体操服が無くなったりしてる事も増えてきてるの。

この子達がやっている所は見たことないから関係しているかは分からないけれど、
そういう事が近頃たまにあるのが一番面倒で迷惑なのよね。

昼休みに四人が私の所に集まるようになってからは、
余計に酷くなった。

放課後に呼び出されるまでになって、
無視して帰宅してたら連行されるようになった。

今は放課後。

下駄箱で靴に履き替えていたら、
昇降口に立ち並んで行く手を塞ぐ女子達。

とてつもない形相で私を睨んでくる。

ほら、また来た…はぁ。


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