今から、絶対にバレない嘘をつきます
そして、その三日後。
『夏美ーー!!
ちょっと、こっちに来て!!』
少々興奮気味の冬香に連れられ、廊下に出ると、そこには彼が立っていた。
『………え……どうしたの…?』
彼は私の顔を見て、とても驚いた顔を見せて、でも何もなかったように笑った。
もしかして…
この間の告白のことで何か……
私はそんなことを頭の中で考えていた。
でも、
『実は…
私、昨日、ハル君に告白をして、OKもらっちゃいました♪』
冬香のその言葉に、その笑顔に、私の考えは音もなく崩れていった。
『………そ、そうなんだ…。
わービックリした、だって冬香、ずっとハル君のこと好きだったんだもんね』
なんだろう…この棒読みな感じ。
自分で言ってて、自分でも笑えちゃうくらい、それくらい棒読みだ……
『本当だよー。
本当、今、すっごい、幸せ♪』
冬香はそう言って、本当に幸せそうな顔で笑った。
あの時の冬香の顔が、今も忘れられない…。