パンジーの花

「ユリ、水着買いに行こう!」

次の日、朝クラスに入るとナツキが笑顔で迎えてくれた。ナツキの言葉に戸惑っていると、海水浴と意気込んでいた。

「私がユリに似合うのきめてやんよ。」
「なんでナツキ、そんなに意気込んでるのさ。」
「海だよ海!楽しまなきゃ損でしょ。」
「ナツキはアウトドア派だもんね。」

じゃあ、帰りね!と笑顔でナツキは何処かに行ってしまった。丁度、また教室に誰かが入る。

「おはよ、白川。」
「お、おはよう瀬川くん。」

瀬川くんがナツキの後に入ってきて、薄く笑った。昨日のことなんて、瀬川くんにはなんともないみたいで、私はきっと勘違いなんだ。そう思い込んだ。
胸がチクチクと針に刺されたみたいだった。


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