パンジーの花
学校帰り、ナツキと水着を買いに商店街へ。沢山の学生たちが、周りを泳ぐ。
水着が売っているショップに入ると、あんまりお客さんはいない。
「ユリはこれでしょー。」
ナツキがそう言って差し出したのは、露出が多いビキニ。所謂、ヒモ。
無理無理と手を大きく動かすと、ナツキは舌打ちしながら、また探し始める。
「これにしよっかな。」
「どれー?…そんな地味なんでいいの?」
私が出したのはパレオ型の緑の水着。
ナツキには拒否されてしまって、カウンターに戻された。その変わりに出てきたのが、白を基調としたビキニだった。
フリルが所々に散りばめられている。
ユリはこれね。そう言ってナツキはカゴに入れた。問答無用に決められてしまった。