パンジーの花

二人で水着を買って、帰り道。気づけば夜の7時。学生には関係ない時間だけど、やっぱり少し早足で歩く。
いいのが買えたと笑うナツキと一緒に笑いながら帰る。ナツキの水着は黒を基調としたビキニで、スタイルの抜群なナツキにはすごく似合っていた。

「あ、あのさユリ」

笑いながら帰っていた道を進みながら、
ナツキが戸惑いながら私に声をかけた。
どうしたの、と聞くと顔を伏せて足を止めた。

「私さ、柴田のこと、好きになっちゃったんだよね」

一瞬、私は何を言っているかわからなくて止まった。けど、意味を理解して、私は顔を緩ませた。

「ほんとにいってる!?」
「お、おう!」
「ナツキにも春がきましたね!」
「やめろー!」

ギャル系のナツキと柴田くんならすごく似合ってる。そう伝えれば、ナツキは嬉しそうに笑うから私も嬉しくなった。
海が楽しみだね、二人で笑いながら帰った木曜日。

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