パンジーの花

電車に揺られながら、左に私とナツキ、右に瀬川くんと柴田くん。四人で他愛ない話をすれば、目的地なんて目と鼻の先だった。
パラソルなどを借りて組み立てている間に、私とナツキは着替えに行く。
不安そうなナツキに、大丈夫。がんばれ。新学期のナツキの様に声を掛ける。
まだ不安そうなナツキの手を取り、二人の元に行くと、パラソルはもうできていて、二人も水着に着替えていた。

「めっちゃ可愛いじゃんナツキ。」

柴田くんが、いつものヘラヘラ顔をしまって言った。それに私は目を開いて、やったね、ナツキ。と心の中で呟いた。

「なにいってんの!柴田ぁー!」
「だって、めっちゃ似合ってんの!」
「ほんとうるせぇな、お前ら。」
「ほんとだよね、瀬川くん。」

四人で笑い合う。ナツキと柴田くんが両想いでありますように。幸せそうな親友の顔を浮かべて笑った。


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