パンジーの花

四人でバレーボールや、柴田くんを砂に埋めたり、スイカを割ったり、できる限りの娯楽を楽しんだ。
私はと言えば、ちょっと疲れたからパラソルで休む。と伝えてパラソルに戻った。

「おい、白川。」

低い声が聞こえて見れば、瀬川くんがオレンジジュースを片手にこちらに来ていた。ありがとう。と伝えてジュースで喉を潤す。瀬川くんは戻らないの。と伝えようとすると、瀬川くんが私の言葉を遮って言った。

「瀬川くんは、」
「白川さ、瀬川くんってやめろ。」
「えっ、嫌だった…?」
「名前でいい。苗字だと、他人みたいだろ。」

瀬川くんは顔を赤くしてそっぽを向いた。ナオトくんと小さく呟くと、瀬川くんの大きな手が私の頭を無造作に撫でた。


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