パンジーの花
二人が手を繋いで人の海の中に入っていくのを見送って、私とナオトくんは小腹が空いたという事で、ご飯を食べに行くことにした。
人気のファミリーレストランに入れば、
たくさんの人で賑わっている。
空いてる席に腰をかければ、向かい合わせ。
「ユリ、奢る。」
「え、ナオトくんに悪いよ!」
「奢るっていってんだから、素直に奢らせろよ。」
ナオトくんは私の顔を見ずに告げた。
私はメニュー表を一見して、一番安いものを頼んだ。ナオトくんは、苦笑いして
ユリらしいな。と言って、少し恥ずかしくなった。