パンジーの花
頼んだ食べ物が机の上を着飾れば、小さく二人でいただきます。美味しいね。と言えば美味しい。と返してくれた。
ナオトくんは噂の人とは正反対だ、というのをふと思う。新学期の頃が懐かしい。
「ナオトくんって優しいね。」
「なっ、いや、ありがとう。」
「噂が噂だったから、ビックリしちゃった。」
「その噂、一年のときだろ?」
うん。と頷けば、ナオトくんはもうそういう事はやめた。と言った。サボりはするのに。と内心笑ってしまう。なんで。と疑問を聞くと、好きなやつがいる。と。
「昔、喧嘩した後にケガしてたんだ。それで、そいつが絆創膏くれてさ。名前も知らない奴に、優しくしてくれんだ。って思った。んで、周りから名前聞いて、どんなやつか聞いたら、優しいい奴だって。喧嘩とか好きじゃないっていうのを聞いてやめたんだ。」
あまりにも、ナオトくんが嬉しそうに話すから、私は心臓が痛くて痛くて。
この場からいなくなりたくなった。