パンジーの花
せっかく店員さんにピアスを頂いたので、開けたいなぁと思っていたら、開けるか?とナオトくんに聞かれる。
けどやっぱり、開ける勇気はないので、まだ開けるのは速いかもしれない。
「でも、ナオトくんとお揃い、つけたいな。」
「おまっ、ほんと可愛いっ」
ナオトくんは顔を赤くしながら、人が少ない道へ私を連れて、ギュッと抱きしめてくれた。私はナオトくんの言葉に顔を赤くした。ナオトくんに顔を赤くしてばかり。
「今度、親がいないとき家にきて、あけよう。」
「…いいの?」
「ナオトくんなら…。」
ナオトくんがやってくれるなら、痛くないもん。笑顔でまた、歩き始める。
私たちの関係は、まだ始まったばかり。
焦る必要なんて、どこにもないから。