パンジーの花
ナツキは瀬川くんに、ごめんなさいごめんなさいとうるさいくらい連呼している。瀬川くんは"別にいいけど"と言って、私の後ろに座った。
「そういえば、お前。」
「ーーえっ、私ですか!?」
「……おう。名前なんていうの。」
「わ、私、白川ユリっていいます…!
こっちは前田ナツキ。」
突然、瀬川くんに話しかけられてナツキと私は目を開いて驚いた。名前を聞かれてよろしく、と挨拶すると瀬川くんもよろしくと薄く笑ってくれた。それを見てナツキが口を開く。
「せ、瀬川くんってもっと怖い人だと思ってた!」
「…は?いや、別に。」
瀬川くんは、私たちが思うよりいい人そうだった。