雨の日の太陽
「はーあ」
体育から戻り、また屋上の方へやって来た六花は盛大にため息をついた。
「どうした、体育でシゴかれたのか?」
「まだシゴかれた方がマシだ。
雨が多いから必然的に中でやるのは分かるが、社交ダンスはないんじゃね?
野郎同士とか精神的に来るわ」
「なんだ、男子も社交ダンスか」
「へー、女子も同じか」
「けっこう楽しかったが、六花はそうじゃなかったのか?」
「こっちはどっちが女役かでギャーギャーやってたよ」
「私はほとんど男役だったな」
「なんでだよ」
「知らん。他の女子たちが絶対に男役をやってほしいと言ったんだ」
「……なんか分かる気がする」
天の容姿は可愛いというよりは凛としている。
髪を結べば女剣士の様にカッコイイことだろう。
「まぁ、それはいいさ。女役の方もあらかた覚えたしな」
「そーかよ」
「何か言いたいなら言えばいい」
ムスッとした六花に天はイラッとした。