雨の日の太陽
ガチャという音で気付いたのだろう、天が振り返る。
こうしていると、最初に出会った頃を思い出す。
「まだ誰も来てないみたいだったから風に当たっていたぞ」
天は体ごと振り返り、柵に背を預けて腕を組む。
「誰も何も、俺と天以外来ねーよ」
「は? 六花、お前今日告白するんじゃなかったのか?」
天は眉根を寄せて訝しげな表情をする。
「するよ、ここで」
「だから相手がいないと――」
「あーもー! 本当に鈍感だな。
告白する相手なら今、俺の目の前にいるじゃねーかよ」
余りの天の鈍感さにイライラした六花は髪をワシワシと掻き、ビシッと天を指さした。
「は? 私?」
「そう」
天は疑わしげに自分を指さす。
「いやいやいやいや、おかしいだろ」
「おかしくねーよ」
六花は天に近付いていく。
「ま、待て! 話せば分かる!」
「話すためにそっちに行ってるんだろうが」
明らかに天は動揺していた。
首を横にブンブン振って待てと訴えてくる。