雨の日の太陽
「あーくっそ!
わーったよ、言えばいいんだろ!」
六花は少し照れながらなれない動きで手を差し出す。
「しゃ、Shall we dance?」
「My pleasure」
天は綺麗に微笑み、六花の手を取る。
曲は基本となるワルツを。
二人が踊り出したとき、ポツンと六花の頭に滴が落ちてきたかと思うと、大雨が降ってきた。
「うわっ! おい天、踊ってる場合じゃないぞ。
早く中に――」
天を引っ張ろうとしたが、六花は引き留められる。
「何をいうんだ六花。
雨の中でのワルツも悪くはないだろう」
ニヤニヤと楽しそうに笑う天に六花はげんなりとした顔になる。
「……お前はそういうやつだったな……」
「なんだ、嫌か?
なんなら私をここでフルか?」
「んなわけあるか。
俺は天がこんなんだって理解した上で告ったんだ。
フルわけないだろ」
その言葉に面食らったのか、天は何ともいえない表情になり、笑った。