ふたりぼっちで恋をしよう。
「はやく支度しないと置いてくよ?」
「ちょ、待ってって…」
「あと三分ね」
三分て…。
短い猶予を言い残してめぐるは黙る。
僕はその猶予に間に合うよう急いで着替えて鏡を見た。
とりあえず顔洗わないとな。
まだ眠たげな表情の自分を見つめて、単純にそんなことを思いながら、僕はドアを開けた。
「待たせた罰はちゃんと受けてね」
にやっと笑いながらそんなことを言うめぐる。
僕はその時、152cmしかないはずの彼女が脅威に思えた。
今回は何を強請られるんだろう。
サイフにいくらあったかな…。