ふたりぼっちで恋をしよう。
「どーでもいいけど、まさかそんな格好で出かける気じゃないよね?」
「はぁ?当たり前だろ?」
「だったらボケっとしてないでさっさと準備してきなさいよ!このアホ!」
アホはないだろアホは…!
心の中で講義しながらも自分が悪いので何も言えない僕。
そんな僕をジト目で見ているめぐるはまるで鬼婆だ。
「おにばば…」
小さな声でそう呟くと、更に顔を強ばらせためぐるが僕に華麗な平手打ちをかます。
その衝撃で今までぼんやりしていた頭がいっきにはっきりした。
「…ごめん、支度してくるわ」
それだけ言い残すと僕はその場を離れ支度を始めた。
外からは微かにうぐいすの声がする。
僕はおもわず口元が緩んだ。