赤ずきんと寂しがり狼

さっき私のことをいきなり罵ってきた(馬鹿と言われただけ)相手にまた遭遇してしまった
これは悪運か何かかしら…。


けど、どことなく恐怖を感じて焦っている今ならこいつに頼るしかない。
それもだんだんと空が少し青のかかった夕焼け空になっている。今から帰る方向を探すと夜になってしまう…。


嫌々、覚悟を決めて頼んでみる…


「ねぇ…」

「…はい?」
ちゃぷちゃぷとズボンの裾を捲って出した足を湖に入れてくつろぎながらこちらに目を向けて返事をしてくれた。
 

「…実は帰り道がわからなくなってしまったの…もし良ければ道を、教えてほしいなぁ…なんて」

かなりブツブツと小さい声で聞いたけど
これは、もう一回言わないとだめかしら…?

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