ヒスイ巫女2
納骨式が終わる頃
「ヒスイ様」
ドアの所に小さなおばあさんが立っていた。お辞儀をしながら話しかけてきた。
「巫女様のお付き人の1人」
陸は知っているらしく険しい表情で言った。
「ヒスイ様、陸様、蛍様
巫女様がお呼びです。」
「俺達を?」
「ヒスイいくぞ」
こくんと頷いた。
涙は乾いていなかったが・・
「巫女様お呼びの者をお呼びしました。」
「入れ」
その声を合図にふすまが開いた。
楼宮の中でも最高機関入れる者は極少数でしかない
巫女様のプライベートルーム
ヒスイ、陸、蛍は指示の言う通り席に座った。
「ヒスイに話がある」
凛とした声はヒスイを緊張させた。
「はい、なんでしょうか巫女様」
「おぬし次期巫女にならぬか?」
予想外の話にヒスイは思わず
「えっ」
と言ってしまった。
「次期巫女は兄さん、陸様です。私はなれません」
「何を言っておる次期巫女は何人でもいい巫女は一人だがな。それにおぬし治癒能力を持っているだろその力を持った者は次期巫女になる義務がある引き受けてもらえるな」
「・・・はい」
その返事を聞いたかと思うと
「では婚約を決めてもらう」
「婚約ですか・・・」
「次期巫女は代々後方に治癒能力を伝える為親族同士で結婚し子孫繁栄させる。それにおぬしの婚約者は死んだだろならいいじゃないか」
ヒスイの心の傷がもう一度開いてしまった。
止まった涙がまた濁流のように出てくる
「巫女様今のヒスイにはあまりにもこくです。」
「黙りなさい。これは次期巫女の決定事項です。」
陸は唇を噛んだ。
「ヒスイさん自分で選びなさい」
涙目になっていたヒスイは今ではきりっと巫女様の目を見ていた。
何か覚悟を決めたようだった
「その話のらせて頂きます」
「おうならばそこの二人から選べ」
そこの二人陸と蛍の前にヒスイが立った。
そして蛍の肩をたたいた。
「蛍様にします」
「ほう、蛍とはな。来香の子供か。いいだろう。」
「はい」
ヒスイ達は巫女様の部屋を出た。
蛍が振り返るやいなか
「ヒスイ正気か?」
「当たり前正気じゃなきゃこんな事しない」
「兄貴はもういいのかよ」
ヒスイの思いがもう蒼に向いていないのか不安になったのだ。
「違う」
いままでに聞いたことのないどす黒い声
「蒼を嫌いになる事なんて一生ない」
いままで我慢していた事を言った。
「蒼は誰かに殺された」
陸と蛍が驚いていた。
「なんでそんな事言えるんだよ」
「蒼に私の治癒能力の恩恵を渡していた。」
「ヒスイそれは!」
「禁忌だ」
「それでも蒼は死んだ絶対に死なない恩恵を持ちながらだから蒼は殺された誰かにだから兄さんと婚約して犯人見つけよう思ったんだ」
「ヒスイそれはあまりに無謀すぎる」
「何年かかろうが私は見つける」
強い意思に蛍は圧倒された
先日まで弱かった少女ではないとおもった。
「兄さんだから迷惑をかけるかも知れないけど・・・」
「お前の迷惑ぐらいどうって事ない」
「蛍・・・」
「分かったよ。だが無理はするな」
「ありがとう蛍」
ヒスイは作り笑顔ではなく自然に笑っていた。その笑顔に蛍が紅くなっていた事は言うまでもない。
ー巫女の部屋
「これでやっとあれができる永年できなかった作戦が」
巫女様はふっふっと不気味に笑った。
その笑いにヒスイ達が苦しめられようとは誰も気づいていなかった。
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