課長の独占欲が強すぎです。

 お土産用のお菓子やぬいぐるみを始めとしたオリジナルキャラクターのグッズなど所狭しと並べられ、家族や友達のお土産に何を買おうか目移りしてしまう。

「あ、これ綺麗」

 商品を見て回っていた私の目を、ひとつのキーホルダーが止めた。硝子で出来た魚のモチーフ。光の映えるシンプルなフォルムは見様によってはイルカにも海魚にも見える。

 せっかく来たのだから自分へのお土産に買って行こうかなと考えて眺めていたら、後ろから伸びた大きな手がヒョイとそれを取り上げた。

「気に入ったのか?」

「えっと、綺麗だなーと思って」

 そう答えるや否や、和泉さんはキーホルダーを持ってさっさとレジへと行ってしまい、ポカンと見ていた私の手に会計して包装されたそれを当然のように渡した。

「え、あの……いいんですか?」

「気に入ったんだろう?」

「それはそうですけど……」

「なら受け取れ」

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