課長の独占欲が強すぎです。
思ったよりすんなり離れてくれたものの、和泉さんはあからさまに不満そうな表情を浮かべてる。
「あのっ! ちょっと待って下さい! いきなり困ります!」
「これ以上待てるか。ずっと我慢してたんだぞ」
「が、我慢?」
「人前でするのはお前が恥ずかしいだろうと思って耐えてたに決まってるだろう。やっとふたりきりになれたんだ、もっとさせろ」
なんて無茶苦茶な。しかも和泉さんはデート中ずっと私にそんな事したいと考えていたのかと、幾重もの驚愕に思考が追いつかなくなる。
困惑している私に怯まず和泉さんは再び唇を重ねてきた。今度は唇を舌で舐めあげたり甘噛みしたり、明らかに悪戯心を持って楽しんでいる。
遠慮なく口内に入り込んできた舌はさっきより激しく私の中を味わい、その刺激に耐え切れず漏れた喘ぎが唾液と一緒に零れていった。
ふいに唇が離された隙に苦しかった呼吸をし「和泉さん……だめ……」と絶え絶えになりながら懇願する。
なのに、彼は止めてくれるどころか離した唇を今度は吐息と共に首筋に這わせた。
「ひ……っ」
驚きと背筋を駆け上るような冷たい熱に引きつった声が出てしまう。同時にこれ以上が何を意味するのかも感じ取り、全力で大きな身体を押し離した。