課長の独占欲が強すぎです。
あんなに恐いと思っていた眼差しが、真摯で誠実だと初めて気付いた。
あんなに恐いと思っていた低い声が、男らしい艶やかさで身体に響くと初めて知った。
「……もっと。もっと聞かせて下さい。私は鈍感だからいっぱい聞かせてくれなきゃ伝わりません」
不安を埋めてくれる言葉が嬉しくてわがままにおねだりをすれば、和泉さんは柔らかに目を細めて笑顔を零す。
「小夏は欲張りだな。分かった、お前の気が済むまで一晩中でも囁き続けてやる」
そうして私を抱きしめる硬い腕が、頼もしくて安心すると、こんなに胸がときめくと初めて知った。
「好きだ小夏。愛しくてたまらない。こんな気持ちになったのはお前が初めてだ」
愛を告げられながらされたキスを受けて、私はあの日の『もしかしたら』が確信に変わる事を、全身で感じていた。