課長の独占欲が強すぎです。
「和泉さん、良かったんですか?」
チームメイトに『鬼のホームラン王も彼女には形無しだな〜』等と散々からかわれながら店を後にした和泉さんは、いつものように私を腕にしがみつかせて一緒に自宅のマンションへと向かった。
「構わない、あいつらに付き合ってたら夜中まで掛かるからな。お前と過ごす時間がなくなる」
平然と口にした和泉さんだったけど、私を何より優先してくれてるみたいで自然と顔が綻んでしまう。
ニヤけてしまった顔を隠そうと下を向けば、和泉さんがすぐさま「どうした?」と気遣って声を掛けてきた。
「な、なんでもないです」
「酔ったのか? おぶってやるぞ」
「やや、本当に平気ですから」
相変わらず彼の愛は豪快で少し心配性だけど、それが随分心地良いと感じるぐらいには私は和泉さんの恋人が板に付いてきたと思う。