課長の独占欲が強すぎです。

 まだ日が沈むには早すぎる時間。カーテンを引いても寝室は明るい。なのに和泉さんは躊躇するどころか嬉しそうに私の服を脱がせていく。

「待って和泉さん、あの」

「待てるか」

 1度火が着いてしまうとなかなか『お預け』が出来ない和泉さん。首筋を愛撫しながらワンピースのボタンを外していく手を私は必死で止めた。

「待って、待って下さい。せめてシャワー浴びさせて下さい」

 和泉さんは試合が終わってから飲み会に行く前に着替えとシャワーを済ませているけれど、私は炎天下で汗だくで応援した時のままだ。こんな状態で抱かれる訳にはいかない。なのに。

「気にするな」

 ワイルドな和泉さんが女の子の繊細な心理など計れるはずもなく、愛撫は首筋から耳の裏へと進んでいく。

「ダメです、私きっと汗臭いです。和泉さんってばあ!」

 必死に抵抗を試みると、突然ピタリと和泉さんの動きが止まった。

 良かった、分かってくれたのかと思ったけど、どうやら彼の動きを止めたのは違う理由らしい。

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