課長の独占欲が強すぎです。

***

 お昼になり、私と東さんは近くのカフェでテイクアウトのランチとドリンクを買ってから公園へやってきた。

 気候が良いせいか他にもベンチで昼食を摂ってるサラリーマンやOLが結構いる。

 私たちは丁度空いていた噴水前のベンチを見つけるとふたり揃って腰を下ろした。

「『モーリー』もいいけど、たまには違うメシも食べたくなるよね」

 そう言って、東さんは嬉しそうにランチボックスを開ける。海老やアボカドの挟まったバゲットサンドを見て、「美味そう」と更に顔を綻ばせた。

「宍尾課長とだとなかなか出来ないランチですよね。カフェのボックスなんて宍尾さんじゃ幾つあっても足りなさそう」

 私も可愛らしいデザインのランチボックスを開けながらサラダやフルーツの巻かれたロールサンドを見て目を細める。

 私の言葉を聞いた東さんがおしぼりで手を拭きながらこちらを向いて笑い声を零した。

「橘さんはほんと宍尾さんの事が好きだねえ」

 そんなことを指摘されてしまって、私は恥ずかしくなって顔を俯かせる。無意識に和泉さんのことを話題にしてしまう自分に気付かされて、なんだかくすぐったい気持ちがした。

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