課長の独占欲が強すぎです。
触れてはいけない事だったかもしれない。その答えを聞いて自分はどうするのかも考えてないのに。
これを聞いた事がきっかけで、和泉さんが自分の気持ちに気付いてしまう事だってあり得るのに。
不安で不安で固く目を閉じていると。
「ふっ……くくく……くくっ、」
「……え?」
なんと、私の頭の上からは堪えきれないと云った様子の笑い声が聞こえるではないか。
「な、なんで笑うんですか!?」
顔を見上げて抗議すれば、和泉さんは肩を揺らして可笑しそうに笑っている。
「くっくっく……、お前は本当に馬鹿だな」
「ひどっ! 私真剣なんですよ!?」
「悪い。茶化してる訳じゃない。だがお前が可愛すぎるのがいけない」
そう言うと和泉さんは私の腰に回していた腕にぎゅっと力を籠め、頬に雨のようにキスを降らせた。