課長の独占欲が強すぎです。
・だからあなたは恐くて甘くて愛おしい

*9・だからあなたは恐くて甘くて愛おしい*


 なんやかんやと私を悩ませた秋も過ぎ、季節は冬へと移り変わっていく。

 そんな12月の上旬。少し早いけれど、ひまわり出版の忘年会パーティーが再び都内のホテルで行われた。

 前回の『レジーナ』創刊20周年パーティーも盛大だったけど、今回は様々な部署の社員やジャンルの作家も参加しているのでさらに大規模だ。

 今回も会場は立食形式で、あちらこちらで編集や作家、取引先や営業の挨拶や紹介が飛び交っている。

 もちろんそれは営業課の課長である和泉さんや今回は東主任も同じで。忙しそうな面々を見ながら、私はひとりを持て余し会場の隅っこの椅子にぽつりと座っていた。

 お皿に取ってきたケーキをちみちみと食べながら、賑わっている会場を見渡す。

 老若男女溢れる会場を眺めながら、これが皆本に携わって生きている人たちなんだなあと妙な事に関心していた時だった。

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