課長の独占欲が強すぎです。
「終わったら一緒に何か食べに行きましょうか?」
「お前のメシがいい。お茶漬けでもラーメンでもいい、うちへ来て作れ」
「それって泊まれって事ですか?」
「当然だ。明日は休日だからな」
まったく、相変わらずの強引ぶりだ。私には拒否権どころか考える余地もありはしない。
けれど、その強引すぎる愛がたまらなく嬉しい。どんな時でも不器用に私を求めてくれる和泉さんを心の底から愛しいと思う。
「じゃあ和泉さんの好きなジェノベーゼでも作ろうかな。帰りにスーパー寄りましょう」
「そうだな」
忘年会会場の片隅で、そんな小さな幸せを噛みしめていると。
「宍尾くん、ちょっと」
人混みの中から、ある人が和泉さんを手招きした。