課長の独占欲が強すぎです。
明るい笑顔でハッキリと返すと、東さんは本当にホッとしたようで胸を撫で下ろしながら
「良かった。せっかく来てくれた営業事務さんに逃げられちゃったら、ウチやってけなくなっちゃうからね」
なんて、大げさまじりな事を言った。
窓から差し込む朝の光にキラキラ反射する愛らしい小瓶を眺めていると、自分の中で随分と萎れかけていた昨日までのヤル気が、再び大きく湧いて来るのを感じる。
ちょうどその時、「おはよう」と入り口から声がして振り向いて見れば、宍尾さんが出勤して来たところだった。
私は金平糖の小瓶を大事に両手に包むと、朝の挨拶とお礼を言うために宍尾さんのデスクまで小走りで駆けて行った。