課長の独占欲が強すぎです。
・そんな独占欲ありですか!?

*3・そんな独占欲ありですか!?*


『私……赤井くんが好き……! ずっと、ずっと好きだったの……!』
『青山……もう2度と離さない……!!』

「くぁーっ! いいなあいいなあ! やっぱ恋愛はこうでなくっちゃ〜!」

 4月下旬のとある夜。私は自室のベッドで愛読書の少女漫画を読みふけり胸キュンにひとり悶えていた。

 やっぱりひまわり出版の少女漫画は最高だ。キュンキュンがハンパ無い。乙女のツボを突き続けて早20年の少女漫画雑誌は、もはや少女ではない25歳の私さえも未だに心酔させ続けている。

 夢見がちと言われようと、やっぱり恋愛には多少なりともロマンスが欲しい。ときめきや切なさを無くして何が恋愛と言えようか。

 もっとも、恋愛とは無縁の現状を保ち続けている私が言っても何の説得力も無いんだけれど。

「いいなー。私もロマンチックで胸キュンな恋がしたいなー」

 夢見る中学生みたいな事を呟きながら私は少女漫画を胸に抱き、いつか落ちるかも知れない恋にあれこれと想いをめぐらせた。

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