課長の独占欲が強すぎです。
・糖度100の海
*4・糖度100の海*
多忙だった日々も無事に過ぎ、暦はついに黄金連休へと突入した。
けれど、あんなに楽しみにしていた連休なのに私の心はイマイチ晴れていない。原因はもちろん宍尾さんの事だ。
海に誘われたのはデートと判明したけれど、キスもされてしまったけれど、『俺のもの』と勝手に所有権を掌握されてしまったけど、彼が私をどんな風に想っているのかは耳にしていない。
そもそも今まで宍尾さんが私を好きな素振りなんかあっただろうか。惚れられるキッカケすら思い浮かばない。
私自身彼をまだ胸を張って『好き』と言っていいか分からない状態もあって、自分たちはいわゆる恋人同士なのかさえ疑問だ。
そんなあやふやな状態で迎えるデートは明後日で、当然私の中は楽しみよりも不安な気持ちが勝っていた。
そんな風に部屋でひとり思い悩んでいると、スマホからラインの通知音が鳴った。
きっと宍尾さんだろう。明後日は駅まで車で迎えに来てくれるそうで、後で時間を送ると言ってたから知らせてきたのかもしれない。
そう思って画面を開けば案の定で、『5/5 AM8時』と実に実にシンプルなメッセージが送られてきていた。