明日へのYELL
プロローグ
『それ俺のためでもなんでもないから。重い』
冷たい目、感情のこもっていない言葉。
その冷たさとは裏腹に、太陽からの眩しい光は、とても暑かった。
『つか、お前のこと好きな奴なんていねえよ』
重いのは分かった。彼のためではなく自分のためであったことも分かった。
彼が自分のことを好きじゃないことも分かった。
たとえ、好きじゃなかったとしても、人にいう言葉ではないと思う。
中3の最後の夏、暑く、眩しい光のなかで。
その言葉は、大きな傷となる。