ほろ苦キャラメルマキアート ~コーヒーの香りに誘われて~
「...あのさ」
「...ハイ」
「たぶん俺もあんたと同じ気持ちだよ」
同じ...気持ち......?
一瞬頭が真っ白になった。
「俺、あんたより大分年上だと思うし、あんたから見ればオッサンかもしれない。いろいろ大変だと思う。それでもいい?」
「わ、私...貴方から見たらガキだし、可愛くない。だけど...」
『好き』
そう言うと、彼からカウンター越しに抱きしめられた。
「ライ」
「え?」
「ライだよ。俺の名前」
ライ、ライ、ライ。
やっと知れた彼の名前。