ほろ苦キャラメルマキアート ~コーヒーの香りに誘われて~
「ご馳走様でした」
そう言い、レジで会計を済ませる。
「ありがとうございました」
私はこの彼のセリフが嫌いだ。
この幸せな時間が終わってしまうから。
それに...こんなの誰にでも言っているセリフだし......
...って私ワガママなのかな......。
「また来ます」
そう言って店を出る。
...はずだった、のに。
「明日も」
「...え?」
「よければ明日もどうぞ」
振り返ると、少し意地悪く笑いそう言う彼がいた。
こんなの...いつもは言わないのに。
胸がキュウっとなる。
「当たり前、です」
少し震えた声でそう言うと、私は店を出た。
顔赤かったのバレてないかな......。