幼なじみと不器用恋愛




「知ってる。だけど教えない。それほど俺は性格良くないからね。」




佐藤はそう言って俺に背を向けた。




「……もし綾崎を泣かせるようなことがあったらもらいにくるから。じゃあな。」




そう言って去っていった。




誰なんだよ……



行き場のない感情が俺の中でグルグルと回る。




本当、好きなんだよ、由奈が。大好きで大好きで堪んないんだ。



たまにめちゃくちゃにしたくなることや壊したくなることもある。




好きすぎてつらい。どうにか俺のものにしたい。



そう思うときだってある。




だけど一番願ってるのはーー由奈の幸せだから。



大好きで愛おしい由奈の幸せを一番願ってる。




< 129 / 319 >

この作品をシェア

pagetop