幼なじみと不器用恋愛
私たちの関係
教室に入る。
さっきまではずっと俯いてたから顔は見えなかったはず。
だけど今回は……教室に入ると紛れもなく私だってわかってしまう。
勇気を出して郁也の後について教室に入ると、
少しのざわめきが起きる。
そして私を見てひそひそ声が聞こえる。
「気にすることはねぇよ。」
小声で郁也に言われ、コクリと頷いて席に着く。
変とかじゃないかな。
でも郁也がやってくれたんだから変なわけない。
そう思ってるとさほど興味がないのか、みんなそれぞれの会話に戻っていった。
そっか、みんな少しびっくりしただけなんだ。
確かに驚くよね。
視線を感じなくなったことにホッとして私は読書を始めた。