幼なじみと不器用恋愛
「行ってきます。」
今日、家を出ると郁也にバッタリ出くわしてしまう。
「チッ…」
やっぱ舌打ちしてきた。
いつもならそこで終わりだけど、今日はなんとなく頑張ってみようと思う。
「いっ、郁也!」
私がそう呼ぶとギロリと睨まれる。
「あ゙?」
こ、こわ……
「おはよ……」
鋭い目線で睨まれ、耐えきれずに俯いてしまう。
「……俺に話しかけんな、地味女。」
怖いほど低い声でそう言い放たれ、足がすくみ、声が出なくなる。
挨拶なんて…しなきゃよかった。