幼なじみと不器用恋愛




***




確かそのあと、彼はどこかの中学へ転校していった。


噂によると幸せらしい。





そして私は今日この日まで、彼のことを忘れたフリをしていた。




思い出さないようにして、過去に蓋をして。



だけどそれが本当に彼のため、なんだろうか。



私の勝手な逃げじゃないのだろうか。



人は誰だって結局は自分が大切。

自分は悪くないって思いたいし、辛いことは忘れたい。




私は……彼とのことを辛いからって悲しいからって忘れたかったんじゃないだろうか。






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