幼なじみと不器用恋愛
「綾崎、さっき朝霧と何話してたの?」
席に着くと佐藤くんが心配そうに聞いてくる。
あ、まえに日誌押し付けられたの知ってるから心配してくれてるのかな……
「帰り、一緒に帰ろうって誘われただけだよ。」
笑顔でそう答えると佐藤くんは顔をしかめた。
「…じゃあ、もしかして嬉しそうなのはそのせいなの?」
え……私、嬉しそう……?
「嬉しそうな顔してる……?」
「うん、すごく。」
だとしたら……郁也が私のために断ってくれたことかな。
「そっか…私嬉しいんだ……」
「無自覚なの?」
佐藤くんは苦笑する。
「佐藤くんも今度一緒に帰ろうねっ!」
笑顔でそう言うと佐藤くんは顔を少し赤らめた。
「そう、だね……俺が部活のない時、また一緒に帰ろう。」