幼なじみと不器用恋愛
「……俺はお前のすべてが知りたい。」
「え?」
「隅から隅まで知り尽くしたい。心の中もそうだし…身体も趣味も癖も全て。」
フッと首筋に息を吹きかけられ、身体の力が抜けそうになる。
「郁也……?」
なんか怖いから震える声でそう呼ぶと郁也は私から距離をとった。
「悪りぃ、怖がらせたな。」
フニャリと笑う郁也を見て安心する。
「ううん…っ、大丈夫……」
「でも、知りたいっつーのは本当だから。」
郁也は優しく微笑みながらそういう。
「うん、私もだもん。」
「まぁ、これからもよろしくっつーことで。」
「そうだね。」
これからまた関わっていけば嫌でもたくさん知れるようになるだろう。
なんでかな、佐藤くんより郁也のことの方が知りたいって思えるようになっていた。