ハルの秘密
1章+桜のヒミツ+
ねぇ、ハル。
もし、あの日に戻れるとしたら、
私があの場所に行っていたら、
何かが変わっていたのかなー
***************
4月8日は、ハルの命日だ。
「もー桜ってば!ちょっと待って。
相変わらず歩くの早いんだから」
「……早苗」
振り向くと、息を切らせた早苗が脇腹を押さえて立っていた。
「あれ?青葉君は連れてこなかったんだ」
「朝から遊園地行きたいってごねちゃってさ〜旦那に頼んで来たわ」
「そっか。もう3歳だっけ」
「そう!やんちゃ盛りで本当に困っちゃう」
長い石段をのぼりながら互いの近況報告をする。
私たちは中学校の同級生で、
こうやって1年に1度、ハルの命日に集まっていた。
石段を上り終わると、
小さな神社にたどり着いた。
ここが、私たちとハルの思い出の場所。
「お〜、桜、早苗、来たか」
「佑司!あんた変わってないね〜」
「痛っ!早苗、お前は相変わらず凶暴な女だな。これでもこの神社の18代目なんだからな」
「はいはい、あんたの代でつぶさないように気をつけてね」
早苗と佑司がじゃれ合うのもいつものことだ。
そしてここにもう1人ー
「悪い、遅くなった」
「湊!良かった。来れたんだ」
「ああ。今朝NYから帰って来た。久しぶりだな、桜、早苗」
「って俺は?!」
あの時と変わらない笑い声に包まれる。
その声に反応したように、ピンク色の花びらが舞った。
ハルが笑っているような、気がした。
もし、あの日に戻れるとしたら、
私があの場所に行っていたら、
何かが変わっていたのかなー
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4月8日は、ハルの命日だ。
「もー桜ってば!ちょっと待って。
相変わらず歩くの早いんだから」
「……早苗」
振り向くと、息を切らせた早苗が脇腹を押さえて立っていた。
「あれ?青葉君は連れてこなかったんだ」
「朝から遊園地行きたいってごねちゃってさ〜旦那に頼んで来たわ」
「そっか。もう3歳だっけ」
「そう!やんちゃ盛りで本当に困っちゃう」
長い石段をのぼりながら互いの近況報告をする。
私たちは中学校の同級生で、
こうやって1年に1度、ハルの命日に集まっていた。
石段を上り終わると、
小さな神社にたどり着いた。
ここが、私たちとハルの思い出の場所。
「お〜、桜、早苗、来たか」
「佑司!あんた変わってないね〜」
「痛っ!早苗、お前は相変わらず凶暴な女だな。これでもこの神社の18代目なんだからな」
「はいはい、あんたの代でつぶさないように気をつけてね」
早苗と佑司がじゃれ合うのもいつものことだ。
そしてここにもう1人ー
「悪い、遅くなった」
「湊!良かった。来れたんだ」
「ああ。今朝NYから帰って来た。久しぶりだな、桜、早苗」
「って俺は?!」
あの時と変わらない笑い声に包まれる。
その声に反応したように、ピンク色の花びらが舞った。
ハルが笑っているような、気がした。