同じ空の下で




洸流が飛騨クンのことを呼んだ瞬間にみんなの視線があたしたちに向けられた。






数秒後、教室中がさわつき始めた。


そのざわつきの中から飛騨クンが現れた。



「なに?何か用?」


いつものクールな態度で言った。


「この子にメアド教えてあげてくれませんか?」




洸流があたしを指さして言った。


すると飛騨クンはあたしのことをじーっと見てから


「いいよ。赤外線ね。」


って言った。




(えぇ~~~~~~!!マヂ!?でも、ちょっと嬉しいかも!)



そう思いながら携帯を取り出す。

あんまり友達を作らない飛騨クンがメアド交換してくれたんだもん。


なんか特別な存在みたいで嬉しかった。




って、なんで喜んでるんだろう。


なんかよく分かんないよ………


とりあえず、メアド交換をしたあたしは自分の教室へと戻った。




「よかったじゃん空羅。交換してくれて。」



「うん!!」





このときのあたしは素直に嬉しかった。


この後の授業はもちろん、先生の話なんて聞いてなかった。



だって本気に嬉しかったから。


家に帰ってあたしは携帯とにらめっこしていた。



メールが来るのを待つべきかメールを送るべきか迷っていた。








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