私は何を信じればいいですか?
「賞味期限切れてるヤツとかヤダ」

ぜ、贅沢な……。

「それより、授業サボってて大丈夫なの?」

「サボってる希尋に言われたくない」

「俺は別に問題ないし。君馬鹿そうじゃん?」

ば、馬鹿って。

失礼な。

「私特進クラスだけど?」

ついでに生徒手帳も見せてやる。

希尋は軽く目を見開いた。

「……出席番号、1つ違い……?」

「へっ?」

出席番号1つ違い?

あれ?

希尋って何年何組何だろう。

「希尋って、何年何組?」

「2年A組41番」

「私が、2年A組40番だから……」

うん、1つ違いだ。

て言うことは、希尋が私の席の後ろなワケ?

あー……、確か1席空いてたっけ。

「………結城礼央……、あぁ…」

どうやら私の名前に、心当たりがあったようです。

まあ、そうだよね。

蘭華は校内で有名だし。

現姫だった時も、大体の人は私のこと知ってたし。

今だって、現姫をイジメた元姫として有名だし。

「君、男に囲まれて1人で倒してたでしょ」

「は、はい?」

男に囲まれて、1人で倒してた?

…………心当たりならあるけど。

「えーと、それはいつ、どこででしょう」

若干あり過ぎてわかんないんだよね〜。

あはは………。

「覚えてないよ、時間なんて。
ケンカが綺麗だったから、覚えてただけ」

「ケンカが、綺麗……?」

「そ。凛と筋が通ってて。乱暴な感じじゃなかったんだ。
仲間に欲しいって、思ったくらい」

希尋の言葉に、どんどん頭がショートしていく。

仲間に欲しいってどういうこと?

希尋も、どこかの族に入ってるの?

「………こんがらがせた?
今は、分かんなくていいよ」






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