私は何を信じればいいですか?



元から、冷めた子供だった。


だから、人前であんな感情的になるなんてほとんどなくて。

ましてや、男の人に抱きしめららるなんて初めてで。


恥ずかしいやらびっくりやらで、頭はパニック状態。

その後のことはほとんど覚えてなかったりする。

だからさ。

「何で希尋がうちにいるわけ?」

朝、リビングのソファーで寝ている希尋を見つけた時には。

心底驚きました。

「何でって……。昨日泊まれって言って聞かなかったのは君でしょ」

「…………嘘だー」

「嘘付いて何になるの。まあ客をソファーに寝かせる時点でどうかと思うけど?」

「………マジ?」

「さぁね」

「どっちよ!」

「自分で思い出せば?」

何てのが朝のやり取り。

因みに朝ごはんは希尋が作ってくれました。

悔しい事に、私より美味しかったよ!


で。

気付けばズルズル昼に。

「昼ご飯、作んなきゃ」

「料理作れるんだ」

「バカにしすぎ!」

そんなこんなで2人で狭いキッチンに立つ。

誰かとご飯を作るのは久しぶりかも。

「………礼央は、何も聞かないんだね」

唐突に、希尋が言った。

「いろいろ、気になることあると思うけど」

確かに、聞きたいことは山のようにある。

何で、施設に連れてったのとか。

族のこととか。

知りたいよ。

でも。

「私が、踏み込まれるの嫌いだから(苦笑)」

その後に、自分のことを聞かれるのが怖い。







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