私は何を信じればいいですか?


「高2なんだ。落ち着いてるから、俺と同じくらいかと思ったよ」

いやいやいや、涼介さんの方がよっぽど落ち着いてますけど?

「………大人び過ぎてるんだよ、礼央は」

「別に、大人びてないです」

「まあ、味覚はな」

イラッ。

別に甘いものが好きな大人だっていっぱいいるじゃん。

ふんだ。

「……けど、そんな我慢しなくてもいいんじゃねぇの?」

「………我慢って、なにが」

私は別に、何も我慢なんてしてない。

「まだ、高校生だろ。もっと甘えても、いいだろ。…………泣きそうな顔するくらいなら、泣けよ」

なんで、なんで隆都さんは。

「知らないくせに、なんでそういうこと言うの?」


ああ、口が止まらない。


「知ってるようなこと、言わないでよ」


「私の何がわかるの?」


「私の……っ」


「わかんねぇよ」


低い、隆都さんの声。

「礼央は何も言わない。俺は何も聞かない。だから、何も知らない。けど……」




けど?




「初めて来た日も、今日も。お前は泣きそうな顔してた。いつも、そんな顔したら嫌でもわかるだろ」





「そんな顔、してない……っ」


食いしばった歯から、絞り出すようにして出した声。


「……帰る……」



これ以上自分を抑えられる自信がなかった。

胸の奥から、何かがフツフツ沸いてくる。




キモチワルイ。










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