私は何を信じればいいですか?







大きく息を吸って。


「隆都さんっ!!」


大丈夫。

言える。



「心配かけて………」




私は1度言葉を切ると、きゅっと拳を握って言い直す。




「心配してくれて、ありがとうございます。嫌な態度取っちゃってごめんなさい」



隆都さんはびっくりしたようで、目を大きく見開いている。

それから、髪をグシャッとして。


「あー……俺も、悪かった。ごめん」





そのあと少し気まずい雰囲気が漂うのを、涼介さんが手を叩いて消す。


「はい、これでもう仲直り。じゃあ今日は全部隆都の奢りということで。食べ直そっか」

ニコッと笑った涼介さん。

オイ、と隆都さんの突っ込みが入るが、ニコニコと笑って受け流す。

「いいじゃん。どうせ俺ら以外客こないでしょ?」

思いもよらない涼介さんの毒舌。

ぎゃ、ギャップが……!

「いやいや、来るときは来るっての!お前らが来るときは、わざわざ貸切にしてやってるこっちの身にもなれ!」

「隆都」

静かに希尋が声を掛ける。

「いつも………………」

いつも?

小さく希尋が笑う。

うん、クスッみたいな感じで。

うわー、綺麗な顔してるなー。

「うるさい」

「……はあ!?そこはありがとうだろ!」

「だからさー、客来ないんじゃない?」

ブラック希尋降臨なう。

デ、デジャブ……!

「いや、だから来てるって?」

「これからはさ、一見さんの為にも張り紙出しといた方が良いんじゃない?
『ここのマスターは、大変うるさく危険です。不用意に近づかないでください』
ってね」

クスクスと笑う希尋。

「猛獣みたいにいうなよ!」

それはそれは弄られる隆都さん。









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