私は何を信じればいいですか?
結局、何日も倉庫に行けなくて。
今日は久しぶりに来た。
でも、何だか空気が変。
私が倉庫に入った途端、皆がシン___と黙った。
誰も、私と目を合わせてくれない。
何だろう?
どうしたんだろう?
嫌な予感がする。
大好きなこの場所から、今すぐ出て行きたくなった。
「礼央サン。俺、礼央サンの事、スゲェ尊敬してたのに。ガッカリっした」
「ここにいる皆んな、礼央サンの事軽蔑します」
………何で、そんな事言われるのかわからなかった。
「総長達から話しがあるって言ってました。幹部室で待ってます」
凄く、不安で。
心臓がバクバクいってる。
嫌な予感は、的中したんだ。
ドアを開けると、冷たい空気。
皆んな、強張った、冷たい顔をしている。
「話って、なに?」
私は精一杯、普段通りの声を出した。
一段と険しくなる、彼らの顔。
思わずビクッとなった私の耳に、甲高い声が聞こえた。
「礼央、私をイジメたじゃない!」
何、それ?
沙由里ちゃんが、イジメられていた事は知ってるよ。
何度もその現場を見つけたし、助けもした。
蘭華の皆んなに言おう。
そう言っても首を横に振ったのは、沙由里ちゃんでしょ?
「イジメてなんか、ないよ」
だから、私は胸を張ってそう言える。
皆んなだって、信じてくれる。
そう、信じてた………。
「礼央、正直に言って」
「今更、見苦しいよ」
「俺達は見たんだ。礼央が沙由里をイジメてるのを」
信じてたのに、何でそうなるの?
「礼央」
蓮の真っ直ぐな目に、私も真っ直ぐ見返す。
目を逸らしたら、信じてもらえない。